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絵がうまくならない?その悩み、成長のサインかも! | 寺野彬秀

  • 執筆者の写真: 寺野彬秀
    寺野彬秀
  • 2024年12月7日
  • 読了時間: 7分

こんにちは。私は1980年生まれ、北海道在住の画家、寺野彬秀(てらの あきひで)と申します。絵を描き続けていると、ある日ふと「全然うまくならない」「思ったように描けない」と感じる瞬間が誰しもあるのではないでしょうか。私自身も、絵を始めて間もない頃だけでなく、ある程度の経験を積んだ後でも「あれ、なぜか筆が進まない」と悩むことが何度もありました。でも、振り返ってみると、そうした「うまくならない」という悩みこそが、“成長のサイン”であったことが少なくありません。


この記事では、絵がうまくならないと感じたときの具体的な対処法や、そこに潜む成長のヒントについてお伝えしたいと思います。技術的なアドバイスだけでなく、気持ちの持ち方や学習方法など、幅広い視点から「描く力を伸ばすにはどうすればいいか」を考えていきましょう。もしかしたら今の“停滞感”は、一段階上のレベルに行くための通過点かもしれません。ぜひ最後まで読んで、今の悩みをこれからの飛躍に変えるきっかけにしていただければと思います。


1. うまくならないと感じる理由


絵がうまくならないと感じる瞬間は、誰でも必ず経験するものです。その原因は人それぞれですが、代表的なものとしては「スキルの停滞」「モチベーションの低下」「理想と現実のギャップ」が挙げられます。たとえば、描き始めたばかりの頃は上達が目に見えて楽しいけれど、ある程度のレベルに達すると伸び悩みを感じる。あるいは、好きな作家の絵と比べるほど、自分の未熟さが際立って落ち込んでしまう――こうした状況は誰にでも起こり得ます。


私も最初は「少しずつ描けるようになってきた」と喜んでいた時期がありましたが、ある日突然「思ったように色が出せない」「構図がワンパターンになってしまう」と感じ始めました。そのときは単に自分の才能不足だと落ち込んだのですが、後から振り返ると、「上達したからこそ、より高いレベルの課題が見えてきた」という成長過程の一部だったのです。


2. “理想とのギャップ”は成長の証


絵がうまくならないと思い悩む背景には、往々にして“理想とのギャップ”が潜んでいます。自分の中に描きたいイメージがあるのに、それを画面上で思うように再現できない。このギャップがあるからこそ、人はもっと練習しよう、もっと学ぼうと奮起するのではないでしょうか。


私の場合、北海道の雄大な風景をできるだけリアルかつ独自の色彩感覚で描きたいと思っていたのですが、最初は「実際の風景よりのっぺりして見える」「陰影がうまく出せない」などの問題ばかりでした。しかし、そのイメージを追求し続けるうちに「どうやって立体感を出すか」「色を何層にも重ねるとどうなるか」といった学びを重ね、結果的に以前よりも格段に表現力が高まったのです。理想が高ければ高いほど、うまくいかない悔しさも大きいですが、それこそが上達への大きなモチベーションになると言えます。


3. スキルアップのために“基礎”を見直す


うまくならないと思ったときこそ、基礎をもう一度振り返るチャンスです。たとえば、デッサン力や陰影のつけ方、遠近法といった基本的な要素が疎かになっていないかをチェックしてみましょう。経験を積むほど「もう基礎は大丈夫」と思いがちですが、実は描き慣れた頃にこそ、基礎が甘くなっている場合が多いのです。


私も一時期、風景画に凝るあまり、人物の描き方や動きのある構図をほとんど練習しなくなった時期がありました。その結果、新しいテーマに挑戦しようと思ったときに「人のシルエットがどうしてもぎこちなくなる」という壁にぶつかりました。そこから改めてデッサンやクロッキーを重点的に練習し直すことで、「基礎の不十分さが表現を制限していた」と痛感したものです。基礎の再確認は地味な作業ですが、飛躍の土台を作るうえで欠かせない工程です。


4. 描きたいテーマやモチーフを変えてみる


もし同じテーマやモチーフばかり描いて「うまくならない」「飽きてきた」という状況に陥っているなら、思い切ってテーマを変えてみるのも手です。別のジャンルやモチーフに挑戦することで、新たな技術や感覚を身につけられる可能性があります。


たとえば、私が風景画を描き続けていて行き詰まったときは、あえて人物画や抽象的なイラストを描いてみたりしました。最初は全然うまく描けないので逆に落ち込むのですが、その過程で身につく筆づかいや色の使い方が、後々風景画に戻ったときに新鮮な発想をもたらしてくれるのです。うまくならない期間を“別ジャンルへの挑戦”に当てるのは、一見遠回りに見えて実は効率的な方法だと感じます。


5. 他人の目や批評を積極的に取り入れる


自分の絵ばかりを見ていると、どうしてもうまくならない原因を客観的に見つけにくいものです。そんなときこそ、他のアーティストや友人、SNSのフォロワーなど、第三者の目を積極的に取り入れてみるのがおすすめです。もちろん、誰かに批評されるのは勇気が要りますが、外部の目線から指摘されるポイントは思いがけない発見をもたらすことがあります。


私も、ある展示会で他の作家さんと話すうちに「細部の描き込みが少し足りないね」「もう少しコントラストを強めると映えそう」といったアドバイスをもらい、それを素直に試してみたことで、作品の印象が大きく変わりました。自分が気づかなかった弱点や伸ばせる部分を知るためにも、他人の声に耳を傾けることは重要です。


6. スランプは“次のステージ”への入り口


「うまくならない」「スランプだ」と感じている人に、ぜひ知ってほしいのは「スランプは次のステージへの入り口かもしれない」ということです。表現者にとって、ある程度の段階までは順調に成長したとしても、必ずと言っていいほど壁にぶつかる時期がきます。これは、“今の自分”では超えられない技術や表現が見え始めたサインとも言えます。


私も、何度か「こんな絵を描きたいのにどうしても描けない」と苦しんだ時期がありましたが、その度に新しい技術を学んだり、アートイベントに参加して刺激を受けたりする中で、一皮むけたように腕が上がる瞬間を経験しました。スランプの最中は苦しいものですが、乗り越えた先には自分では想像もしていなかった成長が待っていることが多いのです。


7. モチベーションを保つ工夫をする


絵がうまくならないと感じているとき、モチベーションが一気に下がってしまうことがあります。やる気が出ないまま筆を握っても、さらに思うような絵にならずに悪循環……なんてことはよくある話です。そんなときは、モチベーションを保つための工夫を取り入れてみましょう。


たとえば、SNSに制作過程をこまめにアップしてフォロワーの反応を励みにする、好きな作家の作品を模写してみる、目標とするイベントやコンテストに出展すると決めて締め切りを設定する――方法は人それぞれです。私も、疲れているときには無理に大作に取りかからず、小さなスケッチやイラストを描いて「今日はこれを完成させたからOK」と小さな達成感を積み重ねるようにしています。自分なりのやり方で“描く楽しさ”を再確認できれば、停滞感も少しずつ和らいでいくはずです。


8. 続けることでしか得られない“上達の実感”


最後に、絵がうまくならないという悩みを抱える全ての人に伝えたいのは、「結局のところ、続けるしかない」というシンプルな事実です。どれだけ素晴らしいアドバイスやテクニックを知っていても、実際に手を動かして描き続けなければ意味がありません。逆に言えば、うまくいかなくても諦めずに続けていれば、必ず“上達の実感”を得られる瞬間がやってきます。


私も北海道の風景を描き続ける中で、ある日ふと「この雪の質感、以前よりずっと良く描けている」と感じたり、「光の表現が思い通りになってきた」と思える瞬間がありました。それは、決して一夜にして身についたわけではなく、試行錯誤を重ねた結果として生まれたものです。“描けない悔しさ”や“うまくならないもどかしさ”を抱えながらも、筆を置かなかったからこそ得られた感覚だと思います。


いかがでしたでしょうか。うまくならないと感じて悩んでいるときは、伸び悩みの原因を客観的に見つめ直したり、新しいテーマにチャレンジしたり、基礎に立ち返ったりする絶好の機会です。今は苦しいかもしれませんが、その“もやもや”こそが次のレベルに進むためのステップと考えてみてください。絵の世界に正解はありません。あなたが描き続ける限り、可能性は無限に広がっています。


「絵がうまくならない」と感じる悩みは、成長しようとする意識の表れでもあり、また“もっと描きたい”という強い願いの裏返しでもあります。そのエネルギーをプラスに変えることができれば、必ず今よりもレベルアップした作品を生み出せるはずです。あなたの創作の旅が、より充実したものになりますように。


執筆者:寺野彬秀

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