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絵を描くのが好きなら絶対大丈夫!画家への道の歩き方 | 寺野彬秀

  • 執筆者の写真: 寺野彬秀
    寺野彬秀
  • 2024年11月19日
  • 読了時間: 8分

 こんにちは。この記事をご覧いただきありがとうございます。私は1980年生まれ、北海道に拠点を置いて活動している画家の寺野彬秀(てらの あきひで)と申します。もともとはまったくの無名で、美術大学を出たわけでもなければ、特別な師匠のもとで修行した経験もありません。そんな私が画家として生計を立てるようになるまでには、正直たくさんの試行錯誤と遠回りがありました。


 しかし、一つだけずっと変わらずに持ち続けてきたものがあります。それは「絵を描くのが好き」という純粋な気持ちです。技術や実績、経済的な不安など、乗り越えるべきハードルは山ほどありましたが、「やっぱり描くことが好きだ」という思いが原動力となって、ここまで続けることができました。


 この記事では、「絵を描くのが大好きなんだけど、それだけで画家を目指すのは不安…」という方に向けて、私自身が歩んできた道のりや学びをお伝えしたいと思います。好きという気持ちさえあれば絶対大丈夫。大切なのは、あなたのその“好き”をどう活かして“画家としての道”を切り開いていくかです。少しでもヒントになれば幸いです。


  1. まずは好きなことを“好き”と言い切る

 案外多いのが、「絵を描くのは好きだけれど、自分はプロに通用するほどのレベルじゃない」と遠慮してしまうパターンです。でも、たとえ上手下手に自信がなくても、「私は絵を描くのが好きなんです」と声に出して言い切れるかどうかで、道は大きく変わります。

 なぜなら、人が何かを続けるときに最強のモチベーションとなるのは、やはり“好き”という感情だからです。誰に何を言われても、「でも好きなんだから仕方ない」と開き直れるくらいの気持ちがあると、少々の壁にぶつかっても踏みとどまれるものです。

 私も最初は「才能がないんじゃないか」と不安になり、なかなか自分のやりたい方向性を口に出せませんでした。しかし、「好きでたまらないんだから仕方ない」と腹をくくったときに、「やっぱり描こう!」という意志が強まり、具体的な行動へとつながりました。


  1. 小さくてもいいから行動に移す

 「画家になりたい!」という気持ちを抱えたまま、なかなか踏み出せない方は多いと思います。私もかつては、“画家”という肩書だけが先走りして「どこから始めればいいのかさっぱりわからない」という状態でした。

 そんなときに大切なのは、小さな行動でいいからまずは動いてみることです。たとえば、SNSで描いた絵を公開する、自分の部屋の壁にしっかり額装して飾ってみる、知り合いのお店に相談して作品を置いてもらえないか聞いてみる――こういった手軽なアクションから何かが変わり始めるかもしれません。

 私の場合、最初のステップは地元のアートイベントに申し込むことでした。緊張もしましたし、「こんなところに出していいのかな」と不安もありましたが、実際にブースを構えてみると同じように悩みながら描いている作家さんたちとの情報交換ができたり、思わぬ人が作品を気に入ってくれたり。そこから少しずつ輪が広がっていきました。


  1. 独学でも学べる時代を活かす

 よく「美大や専門学校に行かないと画家にはなれないんじゃないの?」という声を耳にしますが、今は独学でも十分に学べる時代です。もちろん正規の美術教育を受けるメリットは大きいですが、行けない・行かない選択肢だってありだと思います。

 私自身は美大出身ではなく、学校で習った基礎技術に加えて、書籍やネット上の動画解説、ワークショップなどを活用して表現の幅を広げてきました。特にネット上には国内外を問わずいろいろな画家やイラストレーターが技法を公開しているので、それを参考にしながら自分流にアレンジできるのはとても便利です。

 大事なのは、自分から積極的に学びの場を探しにいく姿勢でしょう。学校に行かなくても、リアルなコミュニティやオンラインスクールなど、手を伸ばせばたくさんの機会があるはずです。


  1. 自分なりのテーマを見つける

 「好き」という気持ちを軸にしながら、もう一歩踏み込んで自分の“テーマ”を見つけると、作品が一気に魅力的になります。テーマというのは「何を描きたいのか」「どんな気持ちを表現したいのか」という部分で、誰かに与えられるものではなく、あなた自身が見つけるものです。

 私の場合は北海道の自然や季節感が大好きで、とりわけ雪景色の繊細な白の表現に心を惹かれていました。それを突き詰めていくうちに「この雪の世界をもっとリアルに、そして幻想的に描きたい」という気持ちが強まり、それが自分にとっての大きなテーマとなりました。

 テーマが見つかると、画風の方向性や使用する画材の選び方なども自然と定まってきます。「こういう作品を描きたい!」と明確になれば、絵を完成させるまでのモチベーションも保ちやすいですし、周囲に伝わるメッセージ性も強まるのです。


  1. 上手くいかないときこそ“描き続ける”

 絵を描いていて一番つらいのは、何度描いても納得できる仕上がりにならず、「もう私には才能がないんじゃないか」と思ってしまう瞬間です。でも、そういう時期だからこそ筆を止めずに“描き続ける”ことが、結局は上達やブレイクスルーへの近道になります。

 私も何度も「自分にはセンスがないのかも」「どうやったら人の心を動かせる絵になるんだろう」と悩みました。キャンバスに向かうたびに迷ってばかりで、何度も途中で投げ出したくなる。でも、ここで完全に筆を置いてしまうと、次の一枚は生まれません。だからこそ、少しずつでも描き進めるんです。失敗したなと思ったら一度離れてみたり、違う画材を試してみるのもアリ。とにかく“描き続ける”こと自体が経験値となり、ある日突然「これだ!」という瞬間に出会うことがあるのです。


  1. 人とのつながりを大切にする

 絵を描く作業は基本的に一人で黙々と行うイメージがありますが、画家として活動を続けるには人との関わりが欠かせません。誰かの反応がなければ、自分の作品がどう受け止められているかを客観的に知ることができませんし、そもそも知ってもらわなければ評価にすらつながりません。

 たとえば私は“出張サービス”というスタイルで、依頼を受けた先に直接赴き、その場の空気や依頼主の好みを汲み取りながら絵を描く活動をしています。すると、依頼主との対話を通じて今まで考えもしなかったアイデアが浮かんだり、新しい色の使い方を発見したりするんです。人とのつながりが私の創作を大きく変えてくれたと感じています。

 また、同業の画家やイラストレーターとのつながりも大切です。お互いの作品を見せ合いながら、改善点や新しい発想を共有することは大きな刺激になります。一人で悩んでいたら永遠に解決しなかったことが、ちょっとした会話であっさりと解けるケースも少なくありません。


  1. 小さくても目標を持つ

 長い道のりを歩くには、時々立ち止まって小さな目標を設定するのが効果的です。たとえば「今月は絵を5枚仕上げる」「半年後には地元のギャラリーでミニ展示をする」といった具合に、少し頑張れば手が届きそうなゴールを掲げてみましょう。

 私は「まずは地元の小さなカフェに絵を置いてもらう」という目標を立て、それを達成したら次は「もう少し広いスペースで展示する」というようにステップアップしていきました。一度に大きな目標を追うよりも、段階を踏むことで達成感を味わいやすく、次の行動へのエネルギーにもなります。

 小さな成功体験を積み重ねていけば、自信は少しずつついてきますし、周囲からの反応も変わってきます。そこから先の大きな挑戦にも躊躇せず飛び込めるようになるでしょう。


  1. "好き”をとことん追求する覚悟を持つ

 最後に、何よりも大切なのは「好きなことを貫いていく覚悟」です。画家という道は、どうしても評価や経済的な課題、技術的な伸び悩みなど、いろいろな不安がつきまといます。ですが、それらを乗り越えるエネルギー源はやはり「好きだからこそもっと描きたい」という強い気持ちに尽きます。

 私自身、挫折を味わうたびに「それでもやっぱり描くのが好きだ」という結論にたどり着きました。どんなにうまくいかなくても、心が折れかけても、「それでも描きたい」その一念で続けてこられたと思っています。周囲にどう言われても、あなた自身が「それでも私には絵を描くことが必要だ」と感じるなら、その想いこそがあなたの財産になるはずです。


 いかがでしたでしょうか。絵を描くのが好きという気持ちがあれば、そこからどんな道でも切り開いていくことは可能です。もちろん、プロの画家として生計を立てるにはいろいろな戦略や努力が必要ですが、出発点は「好き」という情熱。そこに行動力と持続力を掛け合わせれば、必ず道は見えてきます。


 もし今、あなたが「好きだけど、自分には無理かも…」と思っているなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。どんなに小さなステップでも、描き始めた人にしか見えない景色が必ずあるはずです。私もまだまだ道半ばですが、北海道の大地と出会う人々の声を励みに、これからも絵を描き続けていくつもりです。


 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。あなたの“好き”という気持ちが、素晴らしい作品を生み出す大きな一歩となりますように。そして、その作品がどこかで人の心を動かす瞬間が来ることを、心から願っています。あなたが描く未来には、きっと想像以上に大きな可能性が待っていますよ。


執筆者:寺野彬秀

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