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やる気が出ないときに読む記事!絵を描きたくなる言葉集 | 寺野彬秀

  • 執筆者の写真: 寺野彬秀
    寺野彬秀
  • 1月25日
  • 読了時間: 7分

こんにちは。私は1980年生まれ、北海道在住の画家、寺野彬秀(てらの あきひで)と申します。普段は風景画を中心に描いていますが、それと並行して出張サービスを行い、全国の方と絵を通じて繋がる機会をいただいています。こうした活動の中で、よく耳にするのが「最近、絵を描くやる気が出ない…」「筆を握る気力が湧かない…」という声。たとえ“絵を描くのが好き”という情熱を持っていても、時にはモチベーションが途切れてしまうことがあるのは、ごく自然なことだと思います。


そんなとき、ふとした言葉が背中を押してくれたり、もう一度筆を握りたくなるきっかけになったりすることがありますよね。今回は、「やる気が出ないときでも、絵を描きたくなる言葉やヒント」を8つに分けてお伝えします。あなたの心のどこかに小さな火を灯し、“もう一度描いてみようかな”と思えるようなきっかけになれば嬉しいです。


1. 「下手でも描き続けるうちに、必ず何かが変わる」


絵を描くうえで、多くの人がぶつかるのは「自分は下手だから」という思い込み。でも、実際には“下手”な時期があるからこそ得られる発見もたくさんあります。たとえば、ちょっとした線の歪みが味わいになったり、意図せず生まれた色のにじみが魅力的だったり――“下手”だからこそ出せる柔らかさや素朴さがあるものです。描き続けていれば、嫌でも少しずつ上達していきますし、その過程で生まれる個性は、後になって大きな武器になるはずです。やる気が出ないときこそ、“下手でもいいや”と開き直って描いてみましょう。意外と気がラクになり、“なんだ、こんなに楽しかったんだ”と再確認できるかもしれません。


2. 「完璧を目指すより、まず一歩を動かす」


モチベーションが上がらない大きな原因の一つが、“理想が高すぎる”こと。頭の中には素晴らしい絵があるのに、いざ紙に向かうと全然思い通りに描けず、落ち込んでしまう――そんな経験はありませんか? でも、大切なのは“完璧な絵を描く”ことではなく、“まず一歩を踏み出す”ことです。たとえば今日の目標を「スケッチブックに5分だけ何か描く」にしてみる。完璧を求めすぎると、ハードルが高くなるばかりですが、小さな一歩なら気軽に踏み出せますよね。描き始めてしまえば意外と筆が進んで、“もうちょっと描きたい”という気持ちになることは多いはずです。


3. 「つらいときは、あえて描かない日があってもいい」


やる気が出ないからといって、無理に描き続けるのが必ずしも正解とは限りません。時にはあえてペンや筆を置き、まったく違うことに没頭してみるのも有効です。好きな音楽を聴いたり、映画を観たり、自然の中を散歩したり――創作に直接関係ないと思われる活動が、かえって心の余白を作り、アイデアの源になってくれることがあります。私も、スランプのときは無理してキャンバスに向かわず、北海道の大自然を歩いて風の音や景色をじっくり味わう日を作ります。そうすることで、気づかないうちに頭の中がリセットされ、また描きたい意欲が湧いてくるんです。


4. 「誰かのために描いてみると、意外とやる気が出る」


「自分の絵なんか誰も喜ばない」と思いがちですが、実際はそんなことはありません。ちょっとしたイラストでも、プレゼントされた相手は案外嬉しいものです。友人や家族の誕生日に簡単な似顔絵を描いてみる、SNSでフォロワーさんに向けてワンポイントのイラストをアップしてみるなど、“誰かのため”に描いてみると、新たなモチベーションが生まれるかもしれません。私も出張サービスで依頼主さんのために描くときは、「この方がどんな絵を欲しているんだろう?」と想像を巡らせて筆を動かすため、普段の制作とまた違ったやりがいを感じます。誰かとの繋がりを意識すると、“少しでも喜んでもらいたい”という気持ちがやる気に変わるんです。


5. 「過去の作品を見返すと、意外と成長を感じられる」


“自分は全然うまくなっていない”と感じるのは、多くの場合“前と比べる”機会がないから。実は、ふと過去の絵を引っ張り出して見ると、「あれ、以前より線が安定してる」「色の使い方が大胆になった」と、自分の成長に気づくことが結構あるんです。成長が目に見えると、「自分は少しずつでも前に進んでいるんだ」と励まされるし、もう少し頑張ろうという気持ちが湧いてきます。私も、数年前に描いた雪景色のスケッチを見てみると、今の絵と比べて影のつけ方が甘かったり、色合いが平坦だったりと明らかな差を感じますが、同時に「ちゃんと進歩してるな」と実感するいいきっかけになります。


6. 「プロの絵も最初から上手かったわけじゃない」


SNSやギャラリーで見るプロの作品を目にすると、「自分には到底無理だな」と思ってしまいがち。でも、ほとんどのプロだって最初から完璧な絵を描けたわけではありません。試行錯誤や失敗、数え切れないほどの練習を積み重ねて今のスタイルを確立しているのです。たとえば、有名イラストレーターが昔描いたラクガキや、人気漫画家の初期作品を見る機会があれば、意外な拙さや荒削り感に驚くことも多いでしょう。それでも彼らは描き続けたからこそ、今のクオリティにたどり着けた。やる気が出ないときほど、「プロも通ってきた道なんだ」と考えてみると、少し気がラクになるのではないでしょうか。


7. 「どんな小さなことでも新しいことを試してみる」


マンネリ化がやる気の低下を招いている場合、ちょっとした新しい挑戦が効果的です。たとえば、いつも使っている画材を変えてみる、アナログならデジタルを試してみる、違うテーマやモチーフに挑戦するなど、方法はさまざま。大きな変化はハードルが高く感じるかもしれませんが、ほんの少し違う色を使ってみるだけでも新鮮な刺激が得られます。私も、普段はアクリルを愛用していますが、気分が乗らないときは水彩や色鉛筆に手を伸ばしてみたり、紙の種類を変えたりして遊ぶことがあります。新しい表現方法に出会うと、「おっ、これはおもしろいぞ」とやる気が戻ってくることが多いんです。


8. 「描かないとわからない景色が、必ずどこかにある」


最後に、どんなにやる気が出ないときでも、“描かないと見えない景色がある”という事実を忘れないでほしいと思います。描いてみなければ気づかない色の組み合わせや、描き続けなければ出会えないテーマや人との繋がりが、きっとどこかで待っています。私も、北海道の風景を描き始めなければ出張サービスの道は開けなかったし、出張で各地を回らなければ、アートを通じた素晴らしい交流は得られなかったはずです。やる気が出ないときでも、一度描き始めてみると意外と「もっとこうしてみよう」というアイデアが浮かぶこともあります。“やらなかったら永遠にわからない”――この言葉が、私の背中を押してくれることが何度もありました。


いかがでしたでしょうか。やる気が出ないときに、少しでも「やっぱり描いてみようかな」という気持ちが呼び起こされれば嬉しいです。もう一度、ポイントを簡単に振り返ると、


1. 「下手でも描き続けるうちに、必ず何かが変わる」

2. 「完璧を目指すより、まず一歩を動かす」

3. 「つらいときは、あえて描かない日があってもいい」

4. 「誰かのために描いてみると、意外とやる気が出る」

5. 「過去の作品を見返すと、意外と成長を感じられる」

6. 「プロの絵も最初から上手かったわけじゃない」

7. 「どんな小さなことでも新しいことを試してみる」

8. 「描かないとわからない景色が、必ずどこかにある」


絵を描くことがつらい、やる気が出ない――そんな時期は誰にでもやってきます。でも、その時間を「自分を責める時間」にしてしまうより、「もう一度自分の“好き”や“描きたい”を見つめ直す時間」に変えてみてはいかがでしょうか。継続する中で得られる達成感や、自分だけのスタイルが確立したときの喜びは、やめてしまったら決して味わえないものです。


ぜひ、あなた自身のやる気を取り戻すために、ここで紹介した言葉やヒントを思い出してみてください。描き続ければ、必ずどこかで心が踊る瞬間が訪れ、“やっぱり描いてよかった”と思えるはずです。何より、“描くこと”を楽しむ気持ちを忘れずにいてほしい――それこそが、長く続けるための最大の秘訣だと私は信じています。


執筆者:寺野彬秀

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