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画家に向いている人の特徴5選!あなたは当てはまる? | 寺野彬秀

  • 執筆者の写真: 寺野彬秀
    寺野彬秀
  • 2024年11月24日
  • 読了時間: 8分

 こんにちは。私は1980年生まれ、北海道在住の画家、寺野彬秀(てらの あきひで)と申します。普段は道内各地をめぐりながら制作を続けたり、出張サービスを通じて依頼主のもとで絵を描いたりするスタイルで活動をしています。一口に「画家」と言っても、その働き方や目指すゴールは人それぞれですよね。ただ、“画家に向いている人”には、ある程度共通した特徴があるように思います。


 「自分は絵を描くのが好きだけど、本当に画家に向いているんだろうか?」と悩んでいる方や、「絵を仕事にするってどういう人が向いているの?」と疑問をお持ちの方も多いかもしれません。そこで今回の記事では、私自身や、これまで出会ってきた画家・アーティスト仲間を見ていて感じた“画家に向いている5つの特徴”をまとめてみました。


 もし一つでも当てはまるものがあれば、あなたには画家としての素養や可能性が十分あるかもしれません。もちろん、最初からすべてを満たしている必要はありません。大切なのは「自分がこれからどう伸ばしていけるか」を考えながら、楽しんで読んでいただくこと。ぜひ肩の力を抜いて読み進めてみてください。


1.好奇心が尽きない


 画家に向いている人は、とにかく「何かを見て描きたい」「これを表現したい」という好奇心が尽きない傾向があります。風景や人間、物、抽象的なイメージ――あらゆるものが新鮮な刺激となり、「こんな色合いにしてみたら面白そう」「この構図を描いてみたい」という気持ちが自然と湧き上がってくるのです。


 例えば、私は北海道の大自然や四季の移ろいに惹かれ、特に冬の雪景色の微妙な色の変化に強い興味を持ってきました。最初は「白は白でしょ?」と思っていたのが、光の加減や時間帯によって青みがかったり、夕陽に染まってピンクを帯びたりと、絶えず新たな発見がある。そのたびに「この色をキャンバスで再現できたら、どんな作品になるだろう」とワクワクするんです。


 好奇心が尽きない人は、少しくらい困難があっても、その発見や感動を形にしたいという欲求が勝りやすい。学び続ける意欲も自然と高まり、自分の表現力を磨くモチベーションを保ちやすいのです。「飽きっぽい」という人もいますが、“次々と別のものに興味が移る”というのは見方を変えれば大きな武器。常に新鮮な視点を持ち込める画家は、作品に独自の魅力を宿しやすいものです。


2.没頭できるマインドを持っている


 絵を描く作業は、基本的に長時間の集中力が必要です。細部までこだわるタイプの人は特に、1枚の絵を完成させるまでに何十時間もかけることがあります。そんなとき、「時間を忘れて没頭できる」という資質は非常に大きな強みになります。


 私の知り合いの画家でも「作品を描き始めたらご飯を食べるのも忘れてしまう」「気がついたら朝になっていた」という人は珍しくありません。私自身も、キャンバスに向かい始めると、周囲の雑音がスッと消えていくような感覚に陥ることがあります。もちろん、健康管理の面ではほどほどにしなきゃいけないのですが(笑)、それほど没頭できる対象を持っているというのは素晴らしいことです。


 逆に言えば、“途中で投げ出さない集中力”をどう養うかが、画家としての大きな課題になる場合もあります。最初は30分が限界だったけれど、少しずつ慣らしていくうちに1時間、2時間と集中できるようになっていくことも多いです。没頭型のマインドを持っている人は、作業中に生まれる独特の“ゾーン”に入りやすく、そこで生まれたアイデアやブラッシュアップが作品のクオリティを高める大きな要因になっていきます。


3.失敗に対して柔軟


 画家に向いている人は、失敗を恐れないというよりは“失敗したときに立ち直るのが早い”傾向があるように思います。何かうまくいかなかったとき、「もうダメだ」と投げ出してしまうのではなく、「どうすればいい感じに修正できるかな?」と次の手を考えられるかどうかが重要です。


 私自身、今までに何度も「このままじゃ作品にならない」というピンチに遭遇してきました。キャンバス上で思い通りの色が出せなかったり、構図が気に入らなくて途中で書き直したり……。でも、そのとき「失敗した」と諦めるのではなく、「むしろ思いがけない色合いが出たから、ここを新しい表現にできないかな?」と考えてみると、意外なアイデアが生まれてくるものなんです。


 これは創作活動だけでなく、画家として生きるためのビジネス面にも言えるかもしれません。作品が売れない時期に落ち込むのではなく、「なぜ売れないのか?」を冷静に分析して展示の仕方や宣伝方法を改善するとか。失敗を糧に変えられる柔軟さや前向きさを持っている人は、長く活動を続けるうえで圧倒的に有利です。


4.自己表現を楽しめる


 「画家=自己表現」だとよく言われますが、本当にその通りで、自分の感じたことや考えたことを“絵”という形で表に出していくのが画家の仕事の大きな側面です。自己表現が苦手な人でも努力次第で描けるようにはなるかもしれませんが、やはり“自分の世界観を人に見せるのが好き”という性格の人は強いと感じます。


 自分の作品を人前に出すのは、恥ずかしさや怖さも伴いますよね。でも、そこで「見てもらうのが楽しみだ」と思える人は、どんどん作品を外に出してフィードバックを得ることができます。私も最初は不安ばかりでしたが、今は「この作品を誰かが見たらどんな反応をするだろう?」と考えるとワクワクするようになりました。褒められるだけではなく、時には辛辣な意見が返ってくることもありますが、それもまた自己表現の刺激になって、次の作品に活きてきます。


 また、自己表現を楽しめる人は「自分はこういう人間だ」とある程度割り切っているので、他人と比べすぎることが少ないように思います。周囲の評価に左右されず、「これが私の描きたい世界観なんだ」と自信を持って発信できる――そこが画家としての個性を際立たせる大きなポイントになるのです。


5.孤独を怖れない


 絵を描く作業は、どうしても一人でコツコツと取り組む時間が多くなります。もちろん人との交流やコラボレーションの機会もありますが、根本的には孤独な時間に自分と向き合い、キャンバスと対話することがメインの作業です。だからこそ、“孤独を怖れない”というのは、画家に向いている大きな特徴だといえるでしょう。


 孤独を怖れない人といっても、人付き合いが嫌いというわけではありません。むしろ、必要なときは人としっかりコミュニケーションをとりつつ、「制作中は自分だけの世界にこもってもOK」と思えるかどうか、ということです。私も制作モードに入ると、何時間も誰とも話さずに筆を動かし続けます。でも、その時間こそが一番ワクワクするし、作品のクオリティを左右すると信じています。


 もちろん、ずっと孤独なままでは息苦しくなるので、休憩や息抜きのときに仲間と作品を見せ合ったり、SNSで経過報告をしたりしてバランスをとっています。一人で集中できる時間と、人と触れ合う時間を自分なりにうまく切り替えられる人は、画家としての生活リズムをしっかり確立できるでしょう。


 ここまで挙げてきた5つの特徴を簡単にまとめると、


1.好奇心が尽きない

2.没頭できるマインドを持っている

3.失敗に対して柔軟

4.自己表現を楽しめる

5.孤独を怖れない


 ということになります。もちろん、これらはあくまで私の経験則から導いたもので、「全部に当てはまっていなきゃ画家になれない」なんてことは絶対にありません。ただ、「あ、これは自分も思い当たる」という部分が一つでもあるなら、その強みを伸ばしていくことで画家としての活動に活かせるはずです。


 そしてもう一つ大事なことは、これらの特徴は“生まれつき”のものではなく、あとからでも身につけることができるということ。たとえば、好奇心が少ないと感じる人でも、意識してさまざまなジャンルの本やアート作品に触れたり、旅行先でスケッチをしてみたりすることで、感度は高められます。没頭力だって、最初から何時間も集中できるわけではありませんが、訓練を重ねれば少しずつ伸ばすことが可能です。


 画家として食べていくには、絵を描く技術だけでなく、セルフプロデュース能力や人脈づくりなど、ほかにも必要なスキルがいくつもあります。しかし、それらは後天的に学びや経験を積むことで得られる部分が大きい。一方で「描くことへの情熱」や「創作への好奇心」が全くないと、途中でどうしても気持ちが折れてしまう場面が出てきます。


 だからこそ、まずは「自分は画家としてどんな部分を強みにできそうか」「足りない部分はどうやって補えばいいか」を考え、少しずつ行動に移すことが大切です。誰しも最初から完璧な条件をそろえてスタートできるわけではありません。小さなステップを踏みながら自分なりのスタイルを確立し、試行錯誤を楽しんでみてください。


 もしあなたが「絵を描くのが好き」「いつかは画家として活動してみたい」と思っているなら、一度自分自身の内側を見つめ直して、今回挙げた5つの特徴と照らし合わせてみてはいかがでしょうか。何か一つでもピンとくるものがあれば、それはあなたが“画家に向いている”可能性の証拠かもしれません。


 最後まで読んでくださり、ありがとうございます。画家としての道は決して平坦ではない一方で、描きたいものを自由に表現できるという大きな魅力があります。あなたの中に眠っている“画家の素質”が花開く日を、私も北海道から応援しています。


執筆者:寺野彬秀

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