top of page

デッサン力を爆上げする習慣5選!今日から実践しよう | 寺野彬秀

  • 執筆者の写真: 寺野彬秀
    寺野彬秀
  • 2024年12月28日
  • 読了時間: 6分

こんにちは。私は1980年生まれ、北海道在住の画家、寺野彬秀(てらの あきひで)と申します。普段は風景画をメインに描いていますが、その制作過程で「デッサン」は欠かせない基礎力だと実感しています。デッサン力があると、単に絵が上手くなるだけでなく、観察力や構図の把握力など、あらゆる表現の土台がしっかりと育つんですよね。とはいえ、「どうやって練習すればいいかわからない」「継続するモチベーションが湧かない」という方も多いのではないでしょうか。


そこで今回は、デッサン力を“爆上げ”するための習慣を5つご紹介します。今日からでもすぐに実践できる内容ばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。続けていくうちに、「あれ、形がすんなり取れるようになってきたぞ」「陰影のつけ方がしっくりくるようになった」といった手応えを感じられるはずです。


1. 目的を明確にして“1日1枚”のスケッチ習慣を作る


まず大切なのは、“毎日描く”ことを習慣化することです。デッサン力は一朝一夕で身につくものではありませんが、コツコツと描き続けるうちに確実に上達します。特におすすめなのが、「1日1枚のスケッチ」を日課にしてしまう方法。時間をかけすぎると負担になるので、最初は15分~30分程度でサッと描ききるのがポイントです。


ただし、「1日1枚」といっても、ただ描けばいいというわけではありません。目的を明確にするとモチベーションが上がりやすいです。たとえば「パースを意識して部屋の内観を描く」「陰影をしっかり表現してみる」といった小さなテーマを毎回設定してみてください。目標があれば、“同じ繰り返し”ではなく“毎回の挑戦”へと意識を変えやすくなります。私も朝起きてコーヒーを飲みながら、窓の外の風景や机の上のコップをササッとスケッチする習慣を続けてきたことで、自然と形を捉えるスピードが上がりました。


2. クロッキーで“瞬時に形を捉える力”を鍛える


デッサンといえば時間をかけてじっくり描くイメージがありますが、スピード勝負の“クロッキー”を取り入れると観察力と瞬発力がぐんと高まります。クロッキーとは、モデルや対象物を短時間(1分~5分など)で捉える練習法のこと。一瞬で特徴をとらえ、全体のバランスをざっくり描くことで、形を把握する感覚が研ぎ澄まされていくのです。


私がよくやっているのは、外出先やカフェなどで人や風景をサッとクロッキーする方法です。もちろん、じっくり描くのも大切ですが、実際にスピードが求められる現場も多いですよね。たとえばライブドローイングなどで、限られた時間内に構図や主役を素早く仕上げる場合、クロッキーで鍛えた“瞬時に要点を捉える力”が大いに役立ちます。最初はうまくいかなくても、数を重ねるうちに目と手の連動がスムーズになり、描くスピードが格段に上がるはずです。


3. “形の単純化”を意識してモチーフを分解する


デッサンでありがちなのが、“細部にこだわりすぎて全体が崩れてしまう”という失敗です。そこでおすすめなのが、モチーフを単純な形に分解して捉える練習。たとえば、顔なら楕円形に十字ガイドを入れて配置を確認してから、目や鼻を描き込む。建物なら、まずは直方体や箱の形として捉えてパースを確認し、その後窓やドアなどのディテールを加えていく――というイメージです。


この“単純化”ができるようになると、難しいモチーフでもバランスを崩さずに描けるようになります。私も風景画を描く際、複雑な林や街並みを一気に描き込もうとするとどうしても狂いが出やすいので、まず大まかな四角形や三角形、丸の組み合わせとして捉えます。その後、必要な部分だけ細かく描くことで、全体の調和を保ちながらディテールを盛り込めるわけです。


4. “陰影”を丁寧につける習慣をつける


デッサンの魅力のひとつは、モノクロの世界でも立体感や質感をしっかり表現できることです。そして、そのカギとなるのが“陰影”のつけ方。形は大雑把にとれたとしても、陰影がしっかりしていないと平面的な印象のまま終わってしまいます。


おすすめは、鉛筆一本で明暗の幅をできるだけ広く使う練習です。柔らかい芯(B~4B程度)を使い、ハッチングやグラデーションを活用して階調のバリエーションを出してみましょう。私も、一時期はひたすら球体や円柱を描き、光源が一方向から当たったときの陰影を研究していました。単純な形状だと陰影の変化が見やすいので、質感を理解しやすいのです。陰影を上手くつけられるようになると、どんなモチーフでもリアルな立体感が表現できるようになりますよ。


5. “フィードバック”を積極的にもらう


最後に、デッサン力を爆上げさせるには、他者の目線によるフィードバックを積極的に取り入れることが大切です。独学だとつい自己流になりがちで、「どこがおかしいのか自分ではわからない」という状態に陥ることもしばしば。身近にアドバイスをくれる人がいなくても、SNSやオンラインコミュニティを活用すれば、多くの人から意見をもらうことができます。


私も、地元のアートサークルやSNSで作品を共有し、他の画家さんや友人から「ここを少し暗くすると立体感が増すんじゃない?」「ここのパースが気になるかも」といったアドバイスを受けることで客観的な視点を得ました。自分では気づけなかったポイントを教えてもらうと、次のデッサン練習で意識する部分がより明確になり、成長スピードがぐんと上がります。自分だけでは見えない“盲点”を埋めるためにも、フィードバックはぜひ活用してみてください。


いかがでしたでしょうか。デッサン力を爆上げする習慣を5つご紹介しましたが、どれも今日からすぐに実践できる内容ばかりです。もう一度まとめると、


1. 目的を明確にして1日1枚のスケッチ習慣を作る

2. クロッキーで瞬時に形を捉える力を鍛える

3. 形の単純化を意識してモチーフを分解する

4. 陰影を丁寧につける習慣をつける

5. フィードバックを積極的にもらう


これらの習慣を続けていくうちに、必ず“あれ? 以前よりスムーズに描けるな”という感覚を得られるはずです。デッサンは地道な作業に感じるかもしれませんが、その分、培った力は絵全般の表現力を支える強固な土台になります。焦らずコツコツと楽しみながら続けていけば、気づいたときには驚くほどの進歩を遂げていることも珍しくありません。


「描き続けることこそがデッサン力向上の近道」という言葉を、私自身の経験を通じても強く実感しています。ぜひ、一緒に今日からデッサン習慣を始めてみてください。あなたの絵の表現力がますます豊かになり、描くことがより一層楽しくなることを願っています。


執筆者:寺野彬秀

最新記事

すべて表示
絵を描くのが楽しくなくなった?その原因と対処法 | 寺野彬秀

絵を描くのが楽しくなくなった?その原因と対処法 | 寺野彬秀 こんにちは。私は1980年生まれ、北海道で活動している画家、寺野彬秀(てらの あきひで)と申します。普段は風景画や出張サービスを通じて多くの方と絵を描く楽しさを共有していますが、一方で「最近、絵を描くのが楽しくな...

 
 
あなたの絵は必ず誰かの心を動かす!自信を持つためのヒント | 寺野彬秀

こんにちは。私は1980年生まれ、北海道在住の画家、寺野彬秀(てらの あきひで)と申します。普段は風景画をメインに制作しながら、出張サービスというかたちで全国各地を巡り、依頼主の方のご自宅や店舗でライブペインティングを行ったりしています。さまざまな場所で活動する中で、多くの...

 
 
鉛筆1本でここまで描ける!シンプルな画力向上法 | 寺野彬秀

こんにちは。私は1980年生まれ、北海道で活動している画家、寺野彬秀(てらの あきひで)と申します。普段はアクリルや油彩、デジタルなど、様々な画材や手段を使って絵を描いていますが、その土台となっているのは意外にも“鉛筆”だったりします。鉛筆というシンプルな道具だからこそ得ら...

 
 

© 2025 寺野彬秀

bottom of page